8月、夏真っ盛りにサマーソニック大阪に行ってまいりました。
時期はよりによって一番暑かったらしいお盆前の土日。
天気予報をみて、凍りつく私。
「明日は今年で一番暑い日になるでしょう」
いや、お姉さん、今日も昨日も一昨日も十分に暑かったんだけど、
まだ暑くするおつもり?
わたし、明日から2日間、ほぼ屋外だよ。
日記を書くのが遅れてしまったのは、
ちょっとクールダウンしてから書かないと
バンドへの愛により、文章が気持ち悪くなるという理由からでございます。
まだ生暖かくて気持ち悪いのですが、
自分ではだいぶ客観的になってきたのを感じています。
なので、おそるおそるアップしてみます。
気持ち悪くなったら我慢せずに手をあげてくださいね。
(歯医者のノリで)
写真見てるとサマーソニックっていいなぁと思ってしまいます。
大きなメインステージ、
楽しそうな人々、屋台に、夕暮れ、花火。
現実は、
猛暑の中、砂ぼこりの石ごつごつ地面に、
汗だくの人々、屋台にできる行列に、
時間に比例して増してくる足腰の痛み、
とかなり過酷です。
でも楽しさが勝った。
これまであんまりいい印象のなかった大阪会場、
まさかこんな酷暑の年に好きになるなんて。
事前のリサーチや、暑さ対策がきちんとできていれば、
大阪は野外フェスらしい、楽しい会場だと思います。
大阪会場は07以来なのですが、
以前よりも改善されている点はだいぶ多かったです。
シャトルバスも全然待たなかったし、トイレも並ばない。
リストバンド交換もすぐでした。
フェス飯はイマイチだけど、それは幕張でも同じだし。
ぶどうのスムージーが飲みたかったのに、行列が凄まじくて
仕方なくミルクティーかき氷を食べたらまずかった。
それもいい思い出になるはずです。。
ここからは観たバンドのことを書いています。
楽しくない方はスルーして下さい。
先に謝っておきますが、長くなります。ごめんなさい。
1日目。
まともに観たバンド、なんとたったの2つだけ。
体力温存‥‥2日間を生き抜くための。
まず、メインのオーシャンステージで、
the smashing pumpkins
オルタナティブという
ふんわりしたよくわからんジャンル感を
聴くことで「これがオルタナか」と一番認識しやすいのが、
このスマッシングパンプキンズな気がします。
ではオルタナティブって何?と聞かれると、
やりたい世界をやりたいようにやる感じ
としか言えない、このボキャブラリーのなさ。すみません。
大好きなスマパン、しかしなんか変だ、音が小さいせいなのかな。
曲は良いはずなのに、盛り上がらない。
disarm、tonight,tonight、ava adore、today、b,w,b,w、などなど。
知ってる曲は歌ってみるものの、やはり盛り上がらない。
アドアなんて念願もいいとこのはずなのに。
それから、
ロマンチック炸裂のstand inside your loveがなかったのは残念。
東京では演ったようで‥うらやましい。
ビリーが吠えた時は、ラストツアーの咆哮を思い出して
おおっスマパン!と思いました。
演奏には関係ないけど、ビリーのTシャツのお腹見た瞬間に
ロマンチックが粉砕した。
ビリー!
そんなお腹で、全盛期の殺し文句、
♪the impossible is possible tonight
(今夜 不可能が可能になる)
とか歌っても、説得力ないよ!!
パイシーズ同志のビリー(この方結構重症のロマンチストうお座)、
まずは痩せましょっか‥‥。
スマパン、大好きですけどね。
あんまり良くなかったです。
ラストの曲も1979の方がいいのにな。
さて、この日のトリで、
今年のサマソニのわたくし的メイン。
muse!!
もう、この日は
「ああ~今日はmuse観れる。嬉しいぃ~」
と思いながら生きてました。
もちろんメインステージのオーシャンで。
6th album「the 2nd law」の1曲目、
supremacyでスタート。
何度も行ってるはずのmuseのライブは、
いまだに初っ端は、
ライブで立体になった時の、改めての曲の良さと、
たった3人なのに恐竜みたいにバカでかいスケールの演奏に圧倒される。
一体何度このショックを味わうんだろう。
この感じはきっと体感した人にしかわからない。
ロックというざっくりとした全体像、
その側面にあるクラシック・ベースのメロディーの叙情性、
ややミーハー気味な、いろんなジャンルの音楽へのアプローチ。
ガレージやメタルやエレクトロやジャズやブルースや最近はファンクまで。
でもやっぱり基本はギターロックとクラシック。
ともすれば、ダッサい組み合わせになってしまうのに、うまく出来てると思う。
ステージ上で繰り広げられる映像と音の演出。
そして度肝を抜く3人(+たまにサポート1人)の演奏力の高さ。
museの核、フロントマンのマシュー・ベラミーは、
曲作りとボーカルとギターとピアノ担当。
性格:落ち着きがない
たぶん彼は小学校の成績表にも書かれてたと思う。
「マシューくんは落ち着きがないから、もう少し静かにザリガニの観察をしましょうね」
とか。成績表には書かないか。そもそもイギリスにザリガニはいるのか。
‥‥‥ザリガニ?話ズレてますね。
この人の作る曲は、ほんっとうに捨て曲がなくて、音楽的。
激しい曲も静かな曲もメロディーありきな感じ。
そんな曲がアルバム6枚分あるわけなので、もうライブは大変。
どの曲やっても大抵ファンみんな拍手で大喜び。
もう、あの曲もアノ曲もこの曲も良いんですよ。
普通ラストにやる曲ってお決まりだったりするでしょう?
museは前のツアーでラストだった曲を、今回は最初に持ってきたりします。
どの曲もドラマチックで大げさでスケールがでっかいので盛り上がるんです。
その中でも当然好みはあって、
私はレジスタンス(5th)がイマイチ好きじゃない。
セルフプロデュースよりも、第三者の視点があった方がいいと思う。
逆に好きなのは、うーーーん、3rdのアブソルーションかな、、
ピンポイントに「museの曲でおすすめは?」って聞かれたら
悩み果てます。
マットのボーカルスタイルは、ukらしい
radioheadのトム・ヨークなんかと似たタイプだと思う。
自分が気持ちよく歌えることを念頭において曲をつくっているのか、
曲を気持ちよく昇華させることのできる声。
ファルセットも低音も自在に丁寧に伸びる。うまい。多少粘っこいけど。
museを好きじゃない人は、マットの声がダメって人多い。
ネバネバしてるからか。
ビブラートもかかるし、気持ち悪いと言われればそれも納得。
初期のボーカルはマジに淡谷のり子みたいだった。micro cutsとか。
そういや、
私ずっとマイクロカッツのこと淡谷のり子て心のサブタイトルで呼んでたわ。
ちなみにshowbizはジュマンジで、
fillipはゴダイゴで、caveはズンドコ節て呼んでた。
muscle museumはドナドナだし、new bornなんか仮面ライダーのテーマだ。
な、なんて失礼な女なんだ私は‥
こんなんで本当にmuseのこと好きなのかと
我ながら疑いたくなるけど、大好きです(きっぱり)。
また話がズレてきました。
奇声をよく発する。
テンションが上がる曲ほど、変な声を出す。
blissとか常軌を逸した声をたまに出す(笑)
喋ると早口すぎて面白い。
何言ってるか分からない。
よくふざけてゲラゲラ笑ってるし。
あっひゃっひゃっひゃ~、とか本当に言う外国人、他に知らない。
ギターがむちゃくちゃうまい。
ピアノもむちゃくちゃうまい。
ちなみにピアノはkawaiを使用。
自己主張が強い。
ドヤ顔が半端じゃない。
でも憎めないというか。うまいし、曲がいいし。
スライディング決めようが、自分で自分に紙吹雪を撒こうが
メンバー含め、みんな温かい目で彼を見守ってる感じ。
マットに関する記述が長すぎですね‥
要するに、才能あふれる変な人なんです、彼は。
そんな珍獣すぎるフロントマンに調和しつつ、
胸にドッスドス、ゴッスゴッスくるドムとクリスのリズム隊。
どうしてもマットが目立つけれど、この2人のウマさもたいがいで、
マットの曲って、
ドムとクリスが曲の底を支えて初めて、museの曲になるんだと思ってる。
アルバムのメイキング映像を見ると、個人の演奏の良さがよく分かる。
バンドリーダー、学年いっこ上の
イケメンの犬、みたいな顔(昔はイケメンの猿だった)の
ドムのドラムの何気ない練習風景なんか、
スネアを打つ1発1発の、乾いた音にうわあ~と思う。
特に力いっぱい叩いているわけじゃなくても、
そのクリアな音の存在感とリズムのタイトさに魅了される。
クリスのベースは、絶対的な安心感。
音はかなり出てるけど、マットにきちんとなじむ。
見た目も森のくまさん的で、安心感。
気はやさしくて力持ちって感じ。
幼馴染である3人のバランスは、ステージを見ていると、かたよることなく均等で
そのバランスの良さがまたすごいと思う。
さて、ライブに戻って、1曲目のスプレマシー、この曲すごかった。
完全にやられた。
かっこいいのは知ってたけどこんなにかっこいいんか~と思った。
youtubeで予習しなくてよかった。
荒涼とした雰囲気のあとに、動き出して広がっていく不吉な感じ。
息を詰めてその瞬間を待ってしまう「p」の破裂音の心地よさ。
ラストはスピードアップして、良くないものがさらに拡散していく感じ。
ゾンビ映画のオープニングのような印象。
文句のつけようのない演奏力で、ライブスタート。
agitatedや前半のplug in babyがレアだった。
agitatedの一番いいとこを演奏しないっていう選択は一体(泣)
そういえば全般的に激しいインプロやらなかった。
united states of eurasiaもやったし、blissもやった。
ユーラシアはあんまり好きじゃないと思ってたのにものすごく良かった。
この曲はどんどん好きになってる。
resistanceツアーの時同様、中東オーケストラ部分はマットがピアノで演奏。
創作ノクターンなし。
museのニュースタンダードになると感じたfollow me。
マットがこの曲に込めたのは
生まれてくる自身の初めての子供への想い。
いつもはギター背負ったままピアノ弾き歌う人なのに
なんと
ボーカルだけを執る曲。びっくり。
正直、follow meは
キャッチーではあるけれどこんなに良い曲だとは思っていなかった。
CDの20倍よかった!
マットが身体を折り曲げて、こぶしを掲げて、全身全霊で歌う。
クリスのコーラスが全力でそれに応える。
ドムのシンバルワークが曲のふちを飾る。
♪follow me you can follow me
エモーション炸裂のサビは
歌わずにはいられない。
歌うことで曲に参加できるっていうのは幸せなことだなぁといつも思う。
「僕のあとについておいで
僕がきみを守ってあげる」
曲の最後、
映像の中でモヤモヤふわふわとしていたネオンカラーの糸は
絡まり合って、ついには
「the 2nd law」のジャケットの絵になった。
↓↓↓↓
放射線状にのびた虹色のレーザーライトも映像とリンクして
マットとクリスの声は高いところで、希望の音色を響かせる。
その視覚と聴覚のグラデーションは
今回の旅行中、私が知覚したものの中でもっとも美しくて、感動して
たぶんずっと忘れられない光景になった。
会場も大歓声に湧いた。
liquid stateはクリスの曲。foo fightersっぽい疾走感。
デイブ・グロールが歌っても違和感なさそう。
クリスのボーカルも良い。
彼は彼なりの問題を抱えていてそれを乗り越えたそうだ。
それから、madness。
前のアルバムのundisclosed desiresも静かな良曲だったけれど、madnessも良い。
良いしなんかたまらない気分になる曲。B durという調性もツボ。
だから、できればライブでも原曲キーでやってほしいなぁ。
ダークでスローだけど、感情の密度が濃くて、むっとした空気の
自分の中にもある、健全じゃない感じ。
メロディーにこもった熱が、
音階を引っかきながら曲が展開していく。
あっ、そうだ、ダニに刺されたあとを掻いてるみたいな(笑)
毒のある痛痒さ。
クリスが弾いてる楽器のボワ~ンていう音も変なムードの原因かもしれない。
冒頭の
♪mmmmmmmm‥
のところでマットのサングラスの両目に光る「M」の文字。
こういうことをいつも真面目な顔でやる。おかしくて爆笑。
久しぶりのstockholm syndrome、素晴らしく良かった。
サビ前はどこまでも気持ちよく落とされたし、メタル部分はシビれた。
この変な、強引すぎる曲展開。(注:ほめてますよ)
museの変革のキーソングだったと思う。
サビは本当に空間が広がったように感じるからすごい。
曲に奥行きを感じる理由は、もちろん曲自体の作りによるところが大きいけれど
マットの歌唱力のせいだとも思う。
盛り上がりをより盛り上がらせて、悲痛をより悲痛にして、
楽しさをより楽しくしているのはこの声。
の、表現力と声量のおかげなんだと思う。
それから、ストックホルムはドムのドラムが好きだ。ずっと聴いていたい。
ドラムだけ集中して聴いていると、とんでもなく心地いい。
すとんと落ちてはじく、その重みの加減のちょうど良さ。その振動の快さ。
打楽器というものの良さを噛み締めながら聴く。
左利きのドム。ヒジとヒザが跳ねる独特のドラミング。
そしてとどめに
「んなーウィシュァイクーッドゥ!!」(I wish I could)と言い放つマット。
4thのタイトルの一部である
「black hole」のまっくらなイメージと対を成す、まばゆいstarlight。
なんでこんなに切ない、ずっと遠くに思いを馳せるようなメロディーが作れるんだろう。
特に2番のアタマは、キラキラのギターが歌に絡んで胸が詰まる。
♪our hopes and expectations black holes and revelations
のところはマットが歌を観客に任せてくれたので、
一生懸命歌っていたら、
我が同行者が大声で堂々と間違えて歌ったため、
私もつられて間違えたじゃないか。
あそこは一番いいとこで、
「ぜったいに消さないよ
僕らの希望も期待も
ブラックホールも天からの啓示も」とか言ってんのに。
以前ブログにも書いた、ロンドンオリンピックの公式テーマのsurvivalも、
ライブは抜群によかった。
ユーラシアもサヴァイヴァルも好きになってきて、
queenも良いのかも‥と思い始める、ゲンキンな私。
♪yes i'm gonna win!!!
が爽快すぎる。
サヴァイヴァルで終わりだとてっきり思っていたら、
2回目のアンコール。
Unsustainable。
むちゃくちゃ良かった。
なんであんな音が出るんだろうってくらい、うまいこと音が出てる。
あがっては、おとされる、
クリスとドムのつくる安定の中で
上昇と下降を遊ぶマットのギター。楽しすぎる。does it offend you yeah?か?
突然、4mくらいの巨大ロボットが歩いてステージ袖から出てきたから本日二度目の爆笑。
おもしろい~ミューズ大好きだ‥。
ロボットはチャールズっていう名前らしい。
チャールズ、曲の良いとこでここぞとばかりに耳からガスがブシューっ。
ラストはknights of cydoniaだった。
乗ってしまえばあとは自動的に疾走して揺らされる、
ジェットコースターみたいな強烈な楽しさ。
♪no one's gonna take me alive
the time has come to make things right
you and I must fight for our rights
you and I must fight to survive
(誰も僕を生きたままつかまえることはできない
そろそろ物事を正す時が来たようだ
君も僕も正義のために戦うんだ
生き残るために戦うんだ)
のシングアロングから、怒涛のレニクラギターへ。
たのしい‥生きててよかった‥
今年も発表会が無事に終わってよかった‥
マットがちょっと痩せてよかった‥
いろんな思いが駆け巡った。
サイドニアの途中から花火が上がり始めて、
ステージと花火を口あいたまま交互に見てたらあっという間に曲終了。
なんか、どっちも堪能できなかった(笑)
今年で開催14回目のサマーソニックですが、
2000年の第1回目開催時、なんと
デビューしたてでオープニング・アクトだったmuse。
快晴の朝の千葉マリンスタジアムで
ささやかに、でも爆発の予感を含ませて演奏された
ブルージーなfalling downは
本当に素敵だった。
あの頃は、
マットは頭がド青の青鬼さんだったし
(ちなみに赤鬼さんの時代もあり)
ドムは髪が短すぎて猿全開だったし
クリスはまだ6児の父じゃなかったね‥6児‥
今やライブのド定番のplug in babyもまだ未完成で、
でもあの音階の骨に沿って、durとmollがねじれながら
感情に任せるようにひたすらのぼっていくヴァージョンは
みがく前の宝石みたいだった。
まとまってない感じはしたけど勢いがあって個人的にすごく好きだ。
メランコリックなukギターロックの新人。
それが14年の時を経て、ついにトリを飾るまでになったなんて
感慨深いです。
museには思い入れが強い私です。
たまにマットが無精ひげを伸ばして、
盗っ人みたいな風貌になるから、
そこだけ勘弁してほしい。
奥さんのケイト・ハドソンさん、
彼にあれはノットグッドだと教えてやってください。
この日のmuseは本当に本当に素晴らしくて、
1日目は最高の気分で終わりました。
実は本当はpeaceはちょっと見たかったけど、
もうmuseで帳消しですよ。
サマーソニック2日目の日記も
ぼちぼち書きます。
書けるのかな‥
以下、museのセットリストです↓↓
1.Supremacy
2.Supermassive Black Hole
3.Panic Station
4.Bliss
5.Interlude + Hysteria
6.Plug In Baby
7.United States of Eurasia
8.Follow Me
9.Liquid State
10.Madness
11.House of the Rising Sun riff + Time Is Running Out
12.Stockholm Syndrome + Freedom outro
13.Agitated
アンコール
14.Isolated System
15.Uprising
16.Starlight
17.Survival
アンコール2
18.Unsustainable
19. Man with a Harmonica + Knights of Cydonia
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sextel (金曜日, 17 11月 2017 22:35)
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